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iMac G5の修理

父親は長らく私が今ラジオの録音に使っていたのと同時期のG4(Quicksilver)を使っていましたが、電源関係がイカれたらしく、某ネットオークションでiMac G5の初期型(ALS以前)を使っていました。
しかし、そいつもイカれたので私の手に回ってきたわけで…………

2013/2/1up

 そんなわけで私の手に回ってきたG5のiMacさんです!
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2004年製の、iMac G5、プロセッサのクロック周波数が1.6GHzです。
古い機種ですが外観は美しく、単体で見ていてうっとりします。
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背面も至極すっきりした印象を受けます。
I/Oは上からLINE IN、AUDIO OUT、Mini VGA、USB 2.0(x3)、FW400(x2)、10/100 Base-T Ethernet、56K モデムポートとなっております。
なんつーか…………Mini VGAって…
しかもこのiMac、基本的にMini VGAはミラーリング専用です。グラフィックチップ(GeForce FX5200 64MB)の性能的にはツインビュー(モニタ2枚;純正一体モニタともう一枚外部モニタ)は可能なはずなんですが……このことについては後述します。

 さてこのiMac、冒頭でイカれたと書きましたが、具体的にどうイカれてるのか。そういうときはとりあえず開けてみるといいです。
このモデルの分解方法についてはiFixitのページを参照にしていただけると大変助かります。ていうか、Macとかバラすならこのサイト知っておいて損はないです。
 で、開腹。
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見事にコンデンサが膨らんだり吹いたりしてます!!!
このコンデンサ、キャパシタとも言いますが、電気を一時的に蓄えて、放出する電子部品ですね。
こいつが死ぬと電源関係が不安定になったり、しまいには電源すら入らなくなります。見事に今回の案件は電源が入らないということなので、このコンデンサ不良が原因でしょう。
というのも、iMac G5の持病らしいのですよ、コンデンサ不良。
ですので、こんなふうにコンデンサ交換キット(って言っても、同等品のコンデンサがiMac G5で必要な分だけセットになってるだけなんですが)も売ってまして。
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で、父親が↑のコンデンサセットもつけて私にくれました。
父曰く「直してG5使おうかとも考えてたけど、ジャンクのiMac(Core Duo)見っけたしそれ直せたからとりあえずいいかなー」だそうな。確かに、わざわざ古い機種直す必要も無いのはごもっともです。

 なにはともあれ、ロジックボード(マザーボード)を外さないことにはなにも始まりません。
例によってiFixitを参考に分解します。
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これぞ、一般的な男子大学生のアパートですね!
それにしてもさぁ、ヒートシンクカバーにG5ってエッチング必要か?まあ、美しいけれども!!!
 さて、コンデンサ交換の開始です。
たかがコンデンサ、されどコンデンサ。
本数は25本と少なくないものの、それ以上に厄介なものがございます。
それはスルーホール
精密電子機器の基板に多いのが、積層基板。簡単に言うと基板が何層にもなっているわけですが、その層すべての接点にコンデンサの足を接続させる必要があります。
すなわち。面倒なの!!!
余談ですが、このiMac G5に使われてるハンダは鉛フリーはんだらしく、融点が高いので厄介です。ですので、ハンダゴテはしっかり温め、追いハンダ(元あるハンダが溶けるきっかけを作るために、コテ先でハンダを溶かして溶けたハンダで元あるハンダを温める手法)して無理なくコンデンサが抜けるまで温めます。
 とりあえずメモリ直下の2本のうち1本を交換してみる。
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案外普通に、すんなり……のように見えますが、この1本だけで10分くらいかかってます。
なによりハンダが溶けない!手持ちのハンダゴテが非力(確かホーマックで一番安いの買ったはず)だからというのもあるとは思いますが、それにしても!
ちなみに、今回使用したハンダはダイソーのオーディオ向けの物です。当然のように鉛ハンダw 溶けはいいですがすげーヤニ出るし、臭いです。
コンデンサを抜くのが一番大変です。追いハンダで十分にハンダが溶けたら、片足ずつ抜いていきます。これを繰り返してなんとか抜けたらランドをキレイにして、新しいハンダで予備ハンダしておきます。で、新しいコンデンサを刺し込む。文章で書くとえらい簡単なように見えますが、難題です。
ちなみに、20/25本はこのコンデンサと同じです。
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これこれ、容量が1800μFで、耐圧が6.3Vのもの。ちなみにもう一方(残り5本;電源付近)は容量が1000μFの耐圧16Vです。
 でまぁ、なんとかリークしてるコンデンサだけ交換して組み込み。
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うむ、美しい基板だ。
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もちろん、一度ロジックボードを外したのでコントローラーチップやCPUコアには新しくグリスを塗りましょう。
 とりあえず起動テスト………
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よし、無事起動!
そうそう、このiMacに入ってたHDD、死んでたのです。
なので、最近はタイの洪水で値上がりしたのから元の水準くらいまで下がった(値段がね)ことだしHDDは新調。
海門のバラクーダ、1TBです。
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いたって普通の3.5インチのHDDですが、スペックも普通ですw
回転数は確か5400rpmだったかな?別に速くはないけど、入れる先が9年も前のiMacだし十分でしょw
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元々のHDDと比較。
軽いし薄いのに容量は4倍です。時代の流れって残酷w
 そんなわけでLeopardのインストールディスクから起動。
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久々にこの画面見たよ!
起動音の『ジャーン♪』が心地いい♪でもうるさい☆隣の部屋の先輩に怒られないか不安なくらいw
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順調にインスコは進み、インストール完了。
このあと再起動して例のアレが来るぞ!!!
ってなわけで例のアレ↓

 さてはて、無事ウェルカムムービーも視聴し終わり、ユーザ登録も完了し、こいつの方向性について考える。
私が思い描いていたこのiMacの利用法としては、iTunesに音楽を大量に入れ、USBDACとBluetoothのリモコンを接続し、ジュークボックス的な物にしてやろうと……!
でね、計画通りいろいろやりまして。
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なんつー部屋!大学生の部屋ではないですなw
Bluetoothのリモコンってのがコレ↓
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本来iOS向けの製品らしく、ホームボタンなんかもついてますがMacと接続しても普通に音量上げ/下げとか曲送り/戻し、再生/停止できます。
 そう、そんなわけで見事に音を出す箱になったわけです。
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DesktopLyricsというアプリを使ってデスクトップに歌詞を出しながら、iTunesで音楽再生、さらに曲送りや一時停止、音量の調節などが机から離れていてもできます。これぞ現代のカタチ。
そうそう、先程「このiMacはデュアルモニタにできない」って言ってましたが、上の写真ではできてますね。
というのも、ハードウェア的には可能なのに機種を認識した時点でできなくしてるんですね、Appleの意向で。上位機種との差別化だったかな?
それを解除するのがScreen Spanning Doctorというアプリというよりパッチ。
システム環境設定の言語環境から英語に設定して、再起動して、このアプリでパッチあてて言語環境戻せばそれでデュアルモニタできたはず。詳しくはググってね!

 そんなこんなで快適なAVライフ!ってわけにもいかず……
普段MBA使ってるとね、iMac G5は煩い!我慢ならんくらい!!!
で、煩い原因がファンなんだけど、どんな排熱構造してるのか気になって背面の排熱スリットの部分バラしてみたらこんなんだった。
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えーっと……



よくこれで排熱出来ると思ったなApple!!!
というのもですね、このiMacが壊れる(コンデンサがリークする)原因がまた、排熱に難ありだと言われる点でもあったのです。
ま、直すのはいい勉強になったし、楽しかったしいいかーと思ってたのですが。

 で、数日後。
なんだかんだで音楽聴くのに使ってたりしてたら、また不安定に。。。
もしや…?と思い再び開腹してみると……
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あら……
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あらら………
また膨らんでるし!
でも幸い、膨らんでるのは今回面倒だからと交換しなかった元々のコンデンサ。
ですので、こいつら(膨らんでない元のコンデンサ)も一気に交換しちまいましょう!
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おお、キレイ!
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電源付近の5本の(容量と耐圧が違う)コンデンサは少し背が高いです。でもまあ、あくまで他のコンデンサに比べてってだけで、内部部品の何かより高いとかってわけではないので蓋は普通に閉まります。
ちなみに、追加で交換したのでなく、その前に交換したコンデンサも全部一回抜いて、スルーホールのためにしっかりハンダ付けしなおしました。
スルーホールのコツは、一旦ランドをキレイにしたら予備ハンダしてコンデンサ刺して、普通にコンデンサをハンダ付け。そして余った足を切って、もう一度ハンダを溶かし、半分くらいコンデンサを抜き取ります。そして、更に少しハンダを盛って、コンデンサを奥まで刺し直す。
スルーホールは幾層にもなっている基板の接点まで電子部品の端子を接続させる必要がありますから、こういう事してみました。至極安定しているし、しっかりハンダ付けできてるんだと思います。

 そんなこんなで、今回はMacネタにも関わらず泥臭いネタになってしまいましたw
Mac、ひいてはアップル製品は一様に美しく、内部構造を気にせず使ってしまえる製品が多いですが、所詮は電子部品の塊なんですよね。
とりあえずこのG5のiMacは使う用途もなく、途方に暮れています。まあ、恐らく実家に送ってオブジェになると思います。欲しい人なんか居ないでしょうしw